耳管開放症の症状に悩む方の中には、日常の生活やコミュニケーションをスムーズにするための対処法を求めている方も多いでしょう。特に、声が響く感じや、自分の声の大きさが分からないといった症状は、人前で話す際に不便を感じることがあります。
そんな時に試してみたい方法の一つとして、特定の部位の「マッサージ」や「圧迫」が挙げられます。
有効とされる方法をいくつか紹介します。
首を「絞める」ような動作
これは文字通りの「絞める」という意味ではなく、首周りに軽い圧迫をかけるという意味です。ネクタイやスカーフなどを利用して、適度に首を締めることで症状が和らぐことが報告されています。
特に、多くの人々の前でスピーチやプレゼンテーションを行う際、声が響いてしまう、または声量が分からなくなることがあります。このような場面では、一時的にネクタイやスカーフを強めに締めて、首を適度に圧迫すると良いでしょう。
その他「首を押さえる」動作
一般的に言う”マッサージ”というよりは、耳管開放症の症状緩和には首を軽く押さえる動作が有効です。やむをえず、人前での会話中に症状が強くなった際には、首を押さえながら話すことも考慮すると良いかもしれません。
まとめ
患者さんそれぞれの症状や生活環境に応じた方法を試す必要があります。上記の方法は一部の人々に効果があると報告されていますが、全ての方に効果があるわけではありません。自分の体調や状態をよく観察し、無理なく試してみることをおすすめします。
また、症状がひどい場合は専門の医療機関を受診したり、手術治療も選択肢として挙がりますので、ご相談ください。
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文責
ばば耳鼻科クリニック 院長 馬場奨
- ・医学博士
- ・日本耳鼻咽喉科学会 専門医
- ・日本アレルギー学会 専門医
- ・厚生労働省 補聴器適合判定医
- ・難病指定医
2020年9月にばば耳鼻科クリニックを開院。耳や鼻の日帰り手術の診療に力を入れ、可能な限りの完治をめざした治療に取り組んでいる。また、常に患者の立場になり、各所にモニターを設置して「医療の見える化」を行っているほか、利便性の向上や診療の質を高めることにも注力している。