コラム

2024.08.14

コロッケさん、ダイアン津田さんなどの芸能人の方も受けた真珠腫性中耳炎の手術を耳鼻科医が解説

ばば耳鼻科クリニック 院長の馬場奨です。

今回はタイトルの通り、お笑い芸人のダイアン 津田篤宏さんや、ものまねタレントのコロッケさんさんも過去に受けたとの報道があった、「真珠腫性中耳炎」について、病気そのものや手術について解説してみたいと思います。

真珠腫性中耳炎とは?

真珠腫性中耳炎とは、中耳に真珠腫という皮膚のような組織ができることで、周囲の骨を侵食し、聴力低下や慢性的な耳漏(耳だれ)を引き起こす病気です。放置すると顔面神経麻痺や髄膜炎といった重篤な合併症を伴うこともあります。

手術について

真珠腫性中耳炎の手術(鼓室形成術)の目的は、その真珠腫を完全に除去し、中耳の機能を回復させることです。
手術は通常、内視鏡を用いて行われます。これにより、患部を直接観察しながら精密に操作でき、真珠腫を丁寧に取り除きます。また、損傷した骨の修復や中耳の再建も行います。

当院では真珠腫性中耳炎の手術を日帰りで、局所麻酔下で実施します。
患者さんの状態に応じて2〜4時間かかることが一般的です。

真珠腫性中耳炎の重要性

真珠腫性中耳炎は放置すると病気が進行し、手術でも取り戻せない健康リスクを伴います。
そのため、早期診断と適切な治療が不可欠です。

真珠腫の程度によりますが、多くの場合は手術治療が選択されることとなります。
まずは耳鼻科専門医の診察を受け、真珠腫性中耳炎が疑われた場合は手術を検討することになります。

この情報が、真珠腫性中耳炎の理解と治療を進める手助けとなれば幸いです。
なお、手術を受ける際は専門医の診察・相談を通じて、最適な治療計画を立てましょう。

文責

ばば耳鼻科クリニック 院長 馬場奨

  • ・医学博士
  • ・日本耳鼻咽喉科学会 専門医
  • ・日本アレルギー学会 専門医
  • ・厚生労働省 補聴器適合判定医
  • ・難病指定医

2020年9月にばば耳鼻科クリニックを開院。耳や鼻の日帰り手術の診療に力を入れ、可能な限りの完治をめざした治療に取り組んでいる。また、常に患者の立場になり、各所にモニターを設置して「医療の見える化」を行っているほか、利便性の向上や診療の質を高めることにも注力している。

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