コラム

2024.08.09

慢性中耳炎とプールの関係について

こんにちは。ばば耳鼻科クリニック 院長の馬場です。

今回は実際によくいただくご質問として
「慢性中耳炎のときにプールに入るのは問題ないか?」
について記載してみたいと思います。

慢性中耳炎の時にプールに入るのは…注意すれば問題ありません!

慢性中耳炎は、中耳の長期間にわたる感染や炎症を指し、耳だれや聴力の異常など、耳の健康に影響を与える状態です。

結論として、このような状態でプールに入ったり、海水浴をすること自体は問題ないですが、注意が必要です。
どんなに殺菌・消毒がされていても、プールの水には細菌が存在する可能性があります。そのため、プールの水が耳に入ることで感染症が悪化する危険があります。

そのため、慢性中耳炎の際にプールに入る際は、耳栓を使って耳への水の侵入を防ぎましょう。

耳栓をすることで水が耳に侵入するのを防ぐのはもちろん、耳だれがプールに入ってしまうことも防ぐことができます。

 

なお、耳に水が入らないよう、プールや海で遊ぶ際にも、なるべく派手な飛び込みや、潜水などは避けていただくのが良いかと思います。

また、プールから上がったらすぐに耳を乾燥させ、耳の中に水が溜まっていないことを確認しましょう。

もちろん、患者様の状態によってはプールに入ることを推奨しない場合もございます。(例えば、耳だれの量が多い場合など)
ご自身が慢性中耳炎と分かっている場合は、治療をしている医院・医師にご相談いただくのが良いです。

その他の耳の状態としては…

お子さんに多い急性中耳炎(耳の痛みや発熱がある状態)のときは、プールは推奨されません。
痛みのない滲出性中耳炎ではプールに入ることは問題ないです。

こちらも、治療として鼓膜にチューブを挿入した場合などは状況が異なりますので、
治療を受けている医師にご相談いただくのが良いです。

まとめ

慢性中耳炎を持っている方は、プール利用時に細心の注意を払う必要があります。適切な防護とケアを行うことで、症状の悪化を防ぎつつ、水泳を安全に楽しむことができます。耳の健康を守るため、医師の指導を受けながら、適切な対応を心がけましょう。

文責

ばば耳鼻科クリニック 院長 馬場奨

  • ・医学博士
  • ・日本耳鼻咽喉科学会 専門医
  • ・日本アレルギー学会 専門医
  • ・厚生労働省 補聴器適合判定医
  • ・難病指定医

2020年9月にばば耳鼻科クリニックを開院。耳や鼻の日帰り手術の診療に力を入れ、可能な限りの完治をめざした治療に取り組んでいる。また、常に患者の立場になり、各所にモニターを設置して「医療の見える化」を行っているほか、利便性の向上や診療の質を高めることにも注力している。

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