コラム

2024.07.31

真珠腫性中耳炎の術後について

ばば耳鼻科クリニック 院長の馬場奨です。

今回は真珠腫性中耳炎の手術後についてお伝えします。

真珠腫性中耳炎とは?

真珠腫性中耳炎は、中耳内に発生する真珠腫という組織が原因で、周囲の骨を破壊する進行性の病気です。放置すると聴力低下や耳漏、時には顔面神経麻痺や髄膜炎など深刻な合併症を引き起こす可能性があります。

真珠腫性中耳炎そのものについて、詳しくはこちら(当院HPのご案内へリンクします。)

なお、当院では真珠腫性中耳炎の手術を「日帰り」で実施しております。

真珠腫性中耳炎の術後について

真珠腫性中耳炎の手術後は、生活に大きな制約はないものの、注意が必要です。
当院で耳の手術(鼓室形成術)を行った患者様には、下記のような術後の生活の注意をご案内しております。

実際には患者様の疾患の状態、持病の有無等によって内容は変化しますが、
術後の生活についての参考となれば幸いです。

手術後当日について

術後は耳に包帯が巻かれた状態です。痛みがある場合は鎮痛剤を適切に使用してください。
食事やトイレ以外は安静に過ごしましょう。

また、手術した耳を下にして寝ることは避けてください。この姿勢は少なくとも二日間守りましょう。

なお、術後当日は麻酔が残っているため、自転車や車の運転を控え、アルコールや喫煙も避けてください。耳抜きや強い鼻かみは、耳への負担を防ぐために二週間控えていただきます。仕事や入浴は控え、完全な安静を心がけましょう。

手術翌日について

翌日には耳の包帯を外すことができますが、耳内に残っているタンポンは外さず、医師の指示に従ってください。耳の裏側の傷から少量の出血が見られることがありますが、これは一般的な術後の症状であり、心配はいりません。

また、生活の制限としては、飛行機の搭乗や激しい運動、プールでの水泳も二週間避けてください。お仕事など、無理のない範囲で通常の生活に戻ることは可能ですが、術後翌日または翌々日には必ず診察を受け、経過を確認させていただきます

さいごに

手術後はどのような経過になるのだろうか…?
生活に制限はあるのか…?
など、真珠腫性中耳炎の日帰り手術を検討される方は、
いろいろな心配があるかと思います。

本記事が、真珠腫性中耳炎の手術を検討される方の一助になれば幸いです。

文責

ばば耳鼻科クリニック 院長 馬場奨

  • ・医学博士
  • ・日本耳鼻咽喉科学会 専門医
  • ・日本アレルギー学会 専門医
  • ・厚生労働省 補聴器適合判定医
  • ・難病指定医

2020年9月にばば耳鼻科クリニックを開院。耳や鼻の日帰り手術の診療に力を入れ、可能な限りの完治をめざした治療に取り組んでいる。また、常に患者の立場になり、各所にモニターを設置して「医療の見える化」を行っているほか、利便性の向上や診療の質を高めることにも注力している。

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