真珠腫性中耳炎は、中耳に長期間にわたって炎症が続くことで、中耳の組織が壊れ、真珠腫と呼ばれる異常な皮膚の袋が形成される病状です。この袋が中耳に膿を溜め込むと、様々な症状が現れます。
それでは、「真珠腫性中耳炎を放置すると」具体的にどのような問題が生じるのでしょうか?
真珠腫性中耳炎の進行と症状
真珠腫性中耳炎を放置すると、耳の内部に膿が溜まり続け、以下のような深刻な症状につながります。
1. 聴力の低下
膿が溜まり、鼓膜に穴が開いたり音を伝える骨(耳小骨)が障害され、中耳の機能が損なわれることで、聴力が低下します。
2. めまい
中耳の炎症が内耳に広がり、バランスを司る器官に影響を与え、めまいを引き起こします。
3. 耳漏の悪化
膿に感染が起きて耳漏が悪化します。
4. 耳鳴り
中耳や内耳の炎症が耳鳴りの原因となり、持続的な耳鳴りに悩まされることがあります。
5. 味覚障害
中耳の炎症が顔面神経に影響を与え、味覚に異常を引き起こす可能性があります。
6. 顔面神経麻痺
真珠腫が顔面神経を圧迫したり感染がおよんだりすることで、表情など顔面の動きに影響を与える場合があります。
7. 髄膜炎
放置すると、感染が脳まで広がり、髄膜炎を引き起こす危険性があるため、速やかな治療が必要です。
真珠腫性中耳炎の治療
真珠腫性中耳炎は放置せず、初期段階での診断と適切な治療が必要です。ばば耳鼻科クリニックでは、真珠腫性中耳炎の症状や進行度に応じて、最適な治療をご提供します。日帰り手術も可能で、安心して治療を受けていただけます。
まとめ
真珠腫性中耳炎を放置すると、リスクは非常に高いといえます。早めの診断と治療で、健康な耳を保ち、生活の質を向上させましょう。何か異変を感じたら、耳鼻咽喉科専門医までお気軽にご相談ください。
★★耳管開放症の手術など、よく詳しい解説はこちらへ(当院症状解説ページに移動します)★★
文責
ばば耳鼻科クリニック 院長 馬場奨
- ・医学博士
- ・日本耳鼻咽喉科学会 専門医
- ・日本アレルギー学会 専門医
- ・厚生労働省 補聴器適合判定医
- ・難病指定医
2020年9月にばば耳鼻科クリニックを開院。耳や鼻の日帰り手術の診療に力を入れ、可能な限りの完治をめざした治療に取り組んでいる。また、常に患者の立場になり、各所にモニターを設置して「医療の見える化」を行っているほか、利便性の向上や診療の質を高めることにも注力している。