コラム

2024.03.30

芸能人の有吉弘行さんも受けた鼻中隔弯曲症の手術について、日帰り手術をしている耳鼻科医が解説します

ばば耳鼻科クリニック 院長の馬場奨です。
今回はタイトルの通り、芸能人の有吉弘行さんや、落合陽一さんも受けたとの報道があった、
「鼻中隔弯曲症」について、病気そのものや手術について解説してみたいと思います。

鼻中隔弯曲症について

”鼻中隔弯曲症”と書くと漢字が難しいですが、読み方は「びちゅうかく わんきょくしょう」と読み、
名前の通り……
鼻の間の壁(鼻中隔)が曲がっている(弯曲している)
という病気のことを言います。

鼻中隔が曲がっていることは珍しいことではありませんが、症状がなく、生活に支障がなければそれで問題はないです。
ただし、鼻中隔の弯曲が大きく、それにより

・慢性的な鼻づまり
・鼻呼吸の障害
・睡眠障害

等の症状が発生して日常生活に支障があるのであれば、生活の質の改善を目的として、手術治療を検討するということになります。

 

鼻中隔弯曲症の手術はどのようなことをしますか?

鼻中隔弯曲症の手術は、鼻中隔矯正術(びちゅうかくきょうせいじゅつ)と呼ばれます。
内視鏡を用いて、鼻の中の手術を行います。

手術の方法を簡単にご説明すると…

①まず、鼻中隔の前方の粘膜を切開します。
②弯曲の原因となっている軟骨や骨を摘出し、まっすぐな状態にします。
③その後、切開した粘膜を縫合し、止血処置を行います。

ただし、鼻中隔弯曲症を患っており、つらい鼻づまりお悩みの方は、
重度のアレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎(ちくのう)を発症しているケースも多いです。
そのような場合は、患者様の状態を総合的に判断し、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎の手術も同時に行うケースもございます。

当院における日帰り手術の工夫

鼻中隔弯曲症の手術を行うとき、多くの患者さんが気にされるのが、鼻の形が変わってしまわないか、という点です。通常この手術は、軟骨の最前端部が見えない状態で行われます(killian切開)。当院では、軟骨を最前端部から直接見る術式(hemitransfixion切開)で対応し、切除範囲を最小限に留めます。

このことにより、外鼻の形態を長期にわたって保持することができます。

当院ではこの鼻中隔弯曲症の手術を、日帰りで行っております。
日帰りで手術・・・となるとご心配に思われるかもしれませんが、鼻中隔弯曲症をはじめ、日帰り手術でそのあと数日間もっとも困るのは血が出た時の対応です。

当院で日帰り手術を受けられた患者さんには院長の携帯電話番号をお知らせしています。
出血など緊急時は、診察時間外は院長携帯にいつでも連絡いただき、直接対応しますのでご安心ください。

費用や通院など、より詳しくは、当院ホームページの「鼻中隔弯曲症の手術」の説明をご覧ください。

https://www.baba8733.com/dns/

文責

ばば耳鼻科クリニック 院長 馬場奨

  • ・医学博士
  • ・日本耳鼻咽喉科学会 専門医
  • ・日本アレルギー学会 専門医
  • ・厚生労働省 補聴器適合判定医
  • ・難病指定医

2020年9月にばば耳鼻科クリニックを開院。耳や鼻の日帰り手術の診療に力を入れ、可能な限りの完治をめざした治療に取り組んでいる。また、常に患者の立場になり、各所にモニターを設置して「医療の見える化」を行っているほか、利便性の向上や診療の質を高めることにも注力している。

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