にかわ状の滲出液がたまる好酸球性中耳炎
白血球の1つである「好酸球」が中耳粘膜に浸潤し、にかわ状の(ネバネバと粘度の高い)滲出液が中耳内に溜まる病気を「好酸球性中耳炎」と呼びます。主に、好酸球性副鼻腔炎、成人発症型の気管支喘息に合併して起こります。40~60代の、特に女性に多く見られる耳の病気です。
好酸球性中耳炎の原因
好酸球性中耳炎は、好酸球性副鼻腔炎、成人発症型の気管支喘息に合併して起こります。
なぜ好酸球が増加するのかということについては、はっきりしたことは分かっていませんが、細菌の侵入やアレルギー物質による刺激が原因になっているのではないかと言われています。
好酸球性中耳炎の症状
- 耳垂れ
- 難聴
- 耳閉感
- 耳鳴り
- 鼻づまり
にかわ状の滲出液が中耳に溜まることで、耳垂れ、難聴、耳閉感、耳鳴りなどの症状を伴います。
好酸球性副鼻腔炎を合併している場合には、鼻づまりなどの症状もあります。
好酸球性中耳炎の検査
顕微鏡検査、内視鏡検査、聴力検査、ティンパノメトリー検査、CT検査、血液検査などを行い、診断します。
好酸球性中耳炎の診断基準
中耳に溜まっている液体の中に好酸球が認められることが前提となります。 加えて、中耳内のにかわ状の貯留液、抗菌薬や鼓膜切開などステロイド投与以外の治療への抵抗性、気管支喘息の合併、鼻ポリープの合併という4項目のうち、2項目を満たした場合に好酸球性中耳炎と診断します。
好酸球性中耳炎の治療
鼓膜切開やステロイド療法、鼓膜チューブ挿入術が主な治療法となります。
鼓膜切開
炎症を起こし正しく機能しなくなった耳管を、鼓膜切開によって換気を良くし、滲出液の排出を促すことで、症状の軽減を図ります。
ステロイド療法
ステロイドの内服、中耳への注入などによって、好酸球の増加を防ぎます。
好酸球性中耳炎の手術
鼓膜切開をしても換気が十分にならないケースや、ステロイド療法での効果が期待できない場合には、鼓膜チューブ挿入術を行います。 設備の整った手術室で、院長が執刀いたします。
鼓膜チューブ挿入術
ばば耳鼻科・日帰り手術クリニックでは、鼓膜チューブ挿入術の日帰り手術での対応が可能です。
鼓膜を切開した上で、小型のチューブを挿入します。チューブは数ミリ程度ですので、外から見えることはありません。チューブの設置により、換気が良い状態が維持され、滲出液が溜まりにくくなります。
手術名 | 手術時間 (執刀のみ、 準備時間除く) |
手術可能年齢 | 術前検査 | 術後休学・休職期間(術日1日目) | 生活制限期間 (運動・飲酒) (術日1日目) |
術後診察間隔 (術日起算、順調な場合) |
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鼓膜チューブ挿入術 | 5分 | 全年齢 | 不必要 | 当日推奨 | 当日推奨 | 症例により変動 |
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好酸球性中耳炎の手術費用
手術名 | 3割 | 1割 |
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鼓膜チューブ挿入術 | 7,800円 | 2,600円 |
- 手術費用のみの負担額です。上記に手術費用に、再診料・薬剤費などが加算されます。
- キャッシュレス決済可能
クレジットカード(VISA・Master・JCB・AMEX・DIN)でのお支払いが可能です。